京都三条糸屋の娘
「起承転結」の例としてよく挙げられる詩文。
京都三条糸屋の娘。姉は十六、妹は十四。諸国大名は弓矢で殺す。糸屋の娘は目で殺す。
俗に手毬唄として伝承されており、各地に様々なバリエーションが存在する。頼山陽による解説とする説がよく知られている。あるいは、梁川星巌による解説であるとする説もある。糸屋の娘は歌舞伎や浮世絵の題目に用いられており、江戸時代後期にはよく知られた小話であったことが伺える。
バリエーション
- 京都三条/三条木屋町/京都五条/大阪本町/(江戸)本町二丁目
- 姉は十八、妹は十五
- 弓矢/刀
参考:
心謎解色絲 – 歌舞伎 鶴屋南北 | 文化デジタルライブラリー
起承転結を唄っていますが、どなたか正確な歌詞を知りませんか? – Yahoo! 知恵袋
「三条木屋町糸屋の娘」の続きを教えてください – Yahoo! 知恵袋
起承転結
漢詩の代表的な詩型の一つ「絶句」における4句の構成法の一つを説いたものが原形である。文章の構成やストーリー展開に転用/応用できるという言説が、一般あるいは教育の現場でもよく見られる。「起承転結」は修辞技法の一つであり、論理的な文章の構成法としては不適切であるという指摘がある。
参考:
頼山陽
- 読み:らいさんよう
- 江戸時代後期 (安永9年12月27日 ~ 天保3年9月23日/1781年1月21日 ~ 1832年10月16日)
- 大阪生まれ
- 儒学者/歴史家/詩人
参考:
梁川星巌
- 読み:やながわせいがん
- 江戸時代後期
- 漢詩人
- 出身地:美濃国安八郡曽根村 (現在の岐阜県大垣市曽根町)
星巌起承轉結の義を說く
梁川星巌一時詩名を以て海内に振曝せり。或人詩の起承轉結の義に苦むものあり。星巌に就きて之を正す。星巌曰く。それは容易の事なり。俗歌に「京都三條の糸屋の娘。姉は十六妹は十四。諸國諸大名は刀で殺す。糸屋の娘は目で殺す。」とあり。起承轉結の義は此の意と言ひければ聞く者始めて釋然として悟りぬ。
—— 新世語 (p.29)
参考:
唐詩選詳説
起承轉結の作法に就いて、梁川星巌(一説に頼山陽)は或る人の問に答えて、左の俗謠を引いて説明した。
京都三條絲屋の娘
姉は十六 妹は十四
諸國諸大名は弓矢で殺す
絲屋の娘は眼で殺す—— 唐詩選詳説 (pp.693-694)
書誌データ
- 著者:簡野道明
- 昭和4年出版 (西暦 1929 年)
参考: